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人工透析の頃・・・

カニのブログを見た友達から「食べたいけど、甲殻アレルギーで食べられないんだ」と聞いたとき、透析をしていた頃を思い出した。

キライで食べないのならなんでもないけど、好きで食べられないのは辛い。

私が生体腎移植をしているということは以前ブログにも書いていると思うけど、透析していた頃は、肉類はリンが多いからダメ、生野菜、果物(生も干したのも)はカリウムが高いからダメ、水分は一日500cc以下と言われた。もちろん塩分制限もある。

透析を続けていると食べても食べても痩せていった。そのため高カロリー、低タンパクを勧められ、病院の栄養士には揚げ物、甘いもの、それからご飯をたくさん食べてと言われた。
そんなん無理やって!と思いつつ体力を維持するためにも押し込むように食べていた。
カルシウムが不足していたのでカルシウムのパウダーをご飯にかけて食べなさいとも言われた。味も素っ気もないチョークの粉みたいなのをご飯にかけたときは泣きたくなった。
栄養士に「あなたも食べてみて」と食べてもらったら「これは無理だ、ごめんなさい」と言っていた・・・オイオイ・・・

外食してもメニューとにらめっこして食べられそうなのを選び、一緒に食事してる友人には透析で水分制限をしてると伝えてあってもこれくらいなら・・・と「コーヒーも飲まないの?」とよく勧められた。もちろん友達は悪気がないのはわかってるし、もう慣れてて何とも思わなくなっていた。

食事制限というのは不思議なもので、「食べちゃダメ」と言われるとたいして好きでもなかった物までフツフツと食べたい欲求が湧いてくる。
私が透析していた病院でもどうしても干し柿が食べたくてガマンできず3つ食べて高カリウム血症になり救急車で運ばれて生死をさまよった人もいた。
カリウムは健康な人なら尿と一緒に排出されるけど、透析患者は排出されず体内に蓄積され心停止を招いてしまう。たかが干し柿何個かで死んでしまうのだ。

私は父から生体腎移植を受け、今は月に一回で通院して薬を服用してはいるもののごく普通の生活ができている。なんとありがたいことか。

頂いた腎臓は永久ではない。私の体の中にあっても永久に私の物にはならない。免疫抑制剤を飲み続ける必要があり、薬を3日も飲まないでいればあっという間に拒絶反応が出るらしい。
そしていつか今の腎臓が悲鳴をあげたら、私はまた人工透析に戻ることになる。

「その日」が少しでも先になるよう祈るばかり。
今は普通に過ごせることのありがたさを毎日感じつつ、今しかできないことをどんどんやろうと思っています。

by tamaki-tamaki | 2006-12-02 00:30